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さて、今回の話題はポイントの話です。なお、スキー業界の最新の情報(速報)が欲しい方は下記の無料メルマガからどうぞ。新着情報はメルマガのみでお伝えしております。
将来、SAJポイントとFISポイント合算のスタート順になるか。
先日、FISポイントについての話を予告していましたが、アメリカの最大手アルペンウェブメディア「ski racing」にてこんなコラムがアップされました。
memo.
Pointless ski racing https://t.co/7OUxYonvf5
— RAP@スキー上達法とブログノウハウ (@itskiblog) September 17, 2021
これはアメリカのコーチのコラムなのですが、日本も同様、FISレース開催地が偏っていることを問題視しています。
日本もSAJ公認大会は西日本でも行われますが、FISレースとなると東日本に集中します。
マラソンでも箱根駅伝の名前が一人歩きしブランド化していることが問題となってますが、箱根駅伝は東日本大学ナンバー1決定戦であり、全日本選手権でもインカレでもありません。そして西日本の有望選手が東京の大学に行ってしまうという問題があるわけです。(箱根に出ると就職に有利になるなんていう都市伝説を聞いたことがありますが)
どのスポーツ業界でもこういった「地域格差」は大きな問題となってますが、スキーに関しては
「上手くなりたいなら、スキー場のそばに住め」
というのは世界共通の成功法則であり、国内留学する選手が数多くいます。
これを解決する、または格差を縮める1つの手段がFISポイントと国別ポイント(日本で言えばSAJポイント)を組み合わせたスタート順と著者は提案しています。(コストが凄そう・・・汗)
One of my suggestions is to utilize a combination of USSA and FIS points for ranking ski racers in the United States.
ski racingの目立つところにこの記事を掲載したということは、おそらく全米スキー連盟も水面下で議論されている可能性もあります。
またはすでに国際スキー連盟(FIS)内でも議論されているかもしれません。
世界恐慌、ウイルスの時代に適応した新ルールはあるのか。
特に新型コロナウイルスの長期化、新たなウイルスの発生、台湾海峡情勢の悪化、円の価値がさらに下がるなどで移動ができない時期が今後も続くとなると、FISポイントというシステム自体が時代に合わなくなってくることも今後予想され、スキーの大会にすら参加しない人の数が増える可能性も十分あり得るでしょう。
また、世界経済はコロナ以降一気に後退する可能性もあり、失業者増加、賃金の引き下げが各地で行われれば、給料をもらってスキーをやってる人は大会どころではなくなります。
そうなったときにスキー業界がどう経済と向き合っていくのか。
そして移動できない選手が増えた場合、どう選手たちのレベルを上げるのかは非常に大きな問題となります。
用具も売れない、人口も増えないとなれば自然とスキーの存在が消えていくと思われますが、このままいけば50年後にはスキー競技自体が消滅している可能性も十分あるわけです。
スキー場も老朽化、田舎の過疎化が進み、閉鎖に追い込まれるところが次々と増えるはずです。
おそらくスキー業界はこのままいけば、金利・権利収入(配当金など)で暇でお金が有り余っている人たちだけの集まりになるのはほぼ確実でしょう。
事実、株の配当金をもらって生活する選手やコーチは多く、私がいた社会人チームの月収は選手1人当たり月50万以上でした。(経営者が多かった)
こういった人が国体予選に出ていったわけですが、このような人たちのみがスキーをする世界になるのかと危惧しています。
アメリカでは移動費がかかり問題になってますが、日本も一時期オーストリアの選手が北海道に来ていた時期があります。
ポイントが欲しい選手たちが全国から北海道に移動してくる現象がありましたが、これは欧州にいけない日本人選手にとってありがたい反面、やっぱり一部の地域だけにポイントが取れるレースが集中するという問題でもあります。
非常に難しい問題ですが、結局世の中最後は
カネ
である程度決まってしまうのは21世紀の資本に書かれてある通りだなと思ってしまいます。
SAJもこういった問題に対し、どういったビジョンがあるのか。
今後の動きに注目していきたいなと思います。
追伸:今回のポイントの話ですが、あくまでも1人の案にすぎず、まだまだ架空の話です。なので、問題点もありますが1つの方向性としてはあっても良いかなと思います。ただ、「技術のある選手がきちんと上にいける仕組み」としてはポイント制は現時点で1番有効な案でしょう。シフリンがFISレースデビューした頃の話もありますが、技術のある選手は後ろから上位にいけ、かつ技術の高い選手がスタート順を早くし、世界で戦えるところにいち早く押し上げるこのシステムは今後も使われることでしょう。(ヨーロッパが環境的に有利というのが難点ですが)
ポイントシステムは議論の余地がありそうなので、今回はこの話を取り上げてみました。