さて、今回のスキー上達方法は大回転競技におけるターンが遅れた時の対処法について解説したいと思います。
結論から言うと、
- スキー板のトップの角付けをきつくする。例えば45度の角度なら板の角度は60〜70度くらいにするといったイメージ
- こうすることでスキー板の全体を使ってラインを修正できる。
- 修正する際はとにかく慌てず、板をズラさないで元のラインに戻す。
- これを実践するには高い腰のポジションでないとまず無理
- *GSでターンが遅れた時の対処法より(ツイッター)
わかりやすい例を言うと下記の連続写真を見ればすぐにわかります。
この写真は昨日解説した連続写真で見るアダムザンパのニュートラルに戻す基本に忠実なGSターンでも紹介しましたが、よーく見ると
- 最初の赤ポールの抜けとその次の青ポールの抜けでフォームが変わっている
という点に注目して欲しいのです。
なぜザンパは2つ目の青ポールで腰高になっているか?
答えは簡単で
- 次の赤ポールまでのインターバルが短く、切り替えを早くするため
- 雪煙が上がらず、かつ板をズラさないでタイムロスを減らす姿勢だから
です。
特に下から3番目のザンパのポジションがすごく重要で、上半身はフォールラインを向けつつ、高いポジションに一旦戻して、ラインを修正しています。
ちなみにザンパはサロモンのGSの板とブーツ
を使ってますが、下から2番目のザンパはすでにスキー板の方向づけを決めて、ターン中の減速を最大限に避けるため、スキー板のたわみを使う体勢になっているのがよくわかります。
*ザンパの使用マテリアル映像:
下から3番目のザンパはターン弧の修正によく使われるフォームであり、大勢の選手がよくやる手法です。もちろん、私も現役時代はこんな感じで高い姿勢に戻しつつ、トップの角付を少しきつくして、カービングを上手く使って修正をしていました。
もちろん、ポールインターバルが短くて、慌ててしまってスキーを横にするケースもあるにはありますが、基本はこういったフォームで修正を試みます。
腰高のポジションだとザンパのように雪煙も上がらないでラインを修正できるので、タイムロスが少ないのです。さらに雪面からの圧を受けて、加速も維持できますから、そこまでタイムが遅れることがないです。
ターンによってはズラして通過する必要もありますが、基本アルペンスキー競技においてズラしは減速となるのでバッジテストや技術選のスキーテクニックは使いません。
技術選のような中腰でターンしていくと、リカバリーは確実に遅くなるので、レーシングと基礎スキーの技術は使い分ける必要があります。
大学時代、アルバイトをしたく某SIAのスキー学校でインストラクターの研修を受けた際、ズラすことが全然最初できず、
「あれ、どうやってパラレルターンやるんだっけ?」
というくらいレーシングにどっぷり浸かって忘れていたので、そのくらいアルペンスキーのテクニックは基礎とは違うことを認識しましょう。